なぜ名古屋肇歯科経営塾は「治療を説明する前に患者さんの未来を聞く」のか
歯科医院では、
患者さんにより良い治療を受けていただくために、
私たち歯科医療従事者は、
一生懸命説明します。
インプラントとはどんな治療なのか。
セラミックと保険の被せ物は何が違うのか。
入れ歯にはどんな種類があるのか。
歯周病が進行するとどうなるのか。
治療期間はどのくらいなのか。
費用はいくらなのか。
もちろん、
こうした説明は必要です。
患者さんが治療を選ぶためには、
正しい情報を知る必要があります。
しかし、
名古屋肇歯科経営塾では、
説明の前に、
もっと大切にしていることがあります。
それが、
「治療を説明する前に、患者さんの未来を聞くこと」
です。
なぜ、
治療方法を説明する前に、
未来を聞くのでしょうか。
それは、
患者さんが本当に選ぼうとしているのは、
治療そのものだけではないからです。
患者さんが求めているのは、
その治療の先にある、
「こうなりたい」という未来
です。
私たちは、
「何を治すか」
だけではなく、
「この患者さんは、これからどうなりたいのか」
から治療を考えたい。
それが、
名古屋肇歯科経営塾が大切にしている、
質問型歯科カウンセリング®の原点です。
この記事では、
なぜ私たちが、
「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。」
という考え方を大切にしているのか。
そして、
その考え方が、
患者さんへのカウンセリング。
TC育成。
スタッフ教育。
自費診療。
医院づくり。
に、
どのようにつながっていくのかをお伝えします。
- 私たちは「治療を売るため」に患者さんの話を聞くのではありません
- 患者さんは「インプラント」が欲しいわけではない
- 歯科医療側は「口の中」を見て、患者さんは「自分の人生」を見ている
- 私たちが変えたいのは「説明の量」ではなく「説明の順番」
- 説明を増やしても、患者さんが決められないことがある
- 「患者さんの未来を聞く」とは、壮大な夢を聞くことではない
- 「未来」を聞くと、患者さん自身も自分の希望に気づくことがある
- 「価値を伝える」前に、「価値観を聞く」
- 患者さんを理解すると、説明はむしろ少なくできる
- 質問型歯科カウンセリング®の5つのステップ
- 私たちが目指すのは「決断させること」ではなく「決断できる状態をつくること」
- なぜ「話す3割・聞く7割」を大切にするのか
- 良い質問は、患者さんを誘導しない
- 「高いですね」と言われたときほど、説明より先に聞く
- 「考えます」と言われたときも、急いで結論へ戻さない
- 「未来を聞く」と、なぜ押し売りになりにくいのか
- 「患者さんの未来を聞く」は、自費診療だけのための考え方ではない
- 患者さんの未来を聞くのは、TCだけの仕事ではない
- 患者さんの未来を「医院全体」で共有する
- 院長一人の「説明力」に依存しない医院へ
- スタッフ教育が「正解の言い方を覚える研修」から変わる
- 患者さんへの質問が、スタッフ自身の「考える力」も育てる
- 自費売上は「目的」ではなく、結果の一つ
- 成約率だけで「良いカウンセリング」を決めない
- 私たちが育てたいのは「売れるTC」ではなく「選ばれるTC」
- 「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。」
- まとめ|「何を治すか」だけでなく、「どんな未来を支えるか」から始める
- 患者さんは、治療ではなく「その先の未来」を選んでいる
- 「あわせて読みたい」に入れる3記事
私たちは「治療を売るため」に患者さんの話を聞くのではありません
最初に、
とても大切なことをお伝えします。
名古屋肇歯科経営塾では、
歯科医院の自費診療売上アップも支援しています。
しかし、
自費治療を多く選んでもらうことだけを、
カウンセリングの目的にはしていません。
なぜなら、
患者さんにとって大切なのは、
医院側が勧めたい治療を選ぶことではなく、
自分に合った治療を、自分で納得して選べること
だからです。
そのためには、
まず、
患者さんを理解する必要があります。
この患者さんは、
今、何に困っているのか。
何を不安に感じているのか。
過去にどんな経験をしてきたのか。
何を大切にしたいのか。
何を避けたいのか。
そして、
これからどうなりたいのか。
そこを聞かずに、
治療説明だけを始めても、
患者さんにとって本当に必要な提案になるとは限りません。
だからこそ、
私たちは、
説明より先に、理解すること
を大切にしています。
そもそも歯科カウンセリングとは何のために行うのか、治療説明との違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 歯科カウンセリングとは?患者さんに選ばれる医院が大切にしていること
患者さんは「インプラント」が欲しいわけではない
たとえば、
歯を失った患者さんが来院したとします。
治療方法として、
インプラント。
ブリッジ。
入れ歯。
などが考えられるかもしれません。
歯科医療側は、
それぞれの特徴を説明します。
インプラントは、
周囲の歯を削らずに治療できる場合がある。
ブリッジは、
固定式で治療できる。
入れ歯は、
外科処置を避けられる場合がある。
こうした説明は大切です。
しかし、
その患者さんが、
本当に欲しいものは、
「インプラント」でしょうか。
もしかすると、
本当に望んでいるのは、
家族と同じ食事を楽しむこと
かもしれません。
あるいは、
人前で口元を気にせず笑うこと
かもしれません。
あるいは、
これ以上、自分の歯を失わずに過ごしたいこと
かもしれません。
つまり、
患者さんが求めているのは、
治療方法そのものではなく、
治療の先にある生活や未来
なのです。
だからこそ、
私たちは、
治療方法の説明を始める前に、
まず、
「本当は、どうなりたいですか?」
と聞きます。
歯科医療側は「口の中」を見て、患者さんは「自分の人生」を見ている
歯科医療従事者は、
専門家です。
そのため、
口腔内を見ると、
むし歯。
歯周ポケット。
骨吸収。
欠損。
咬合。
歯根。
補綴物。
といった、
医学的な情報を見ます。
一方、
患者さんが気にしているのは、
必ずしもそこだけではありません。
「痛いのか」
「何回通うのか」
「仕事に影響しないか」
「見た目はどうなるのか」
「ちゃんと食事ができるのか」
「家族に相談した方がいいのか」
「費用はいくらなのか」
「将来また悪くならないか」
といった、
自分の生活に関わること
です。
つまり、
歯科医療側は、
「何を治すか」
を見ています。
患者さんは、
「治したあと、自分の生活がどうなるか」
を見ています。
この違いを理解しないまま、
医学的に正しい説明だけを重ねても、
患者さんの意思決定を十分に支援できるとは限りません。
私たちが変えたいのは「説明の量」ではなく「説明の順番」
治療説明を否定する考え方ではありません。
むしろ、
正しい治療説明は必要です。
メリット。
デメリット。
リスク。
費用。
治療期間。
他の選択肢。
こうした情報は、
患者さんが治療を選ぶうえで欠かせません。
ただし、
私たちは、
説明の前に患者さんを理解する
という順番を大切にしています。
従来の流れが、
説明 → 提案 → 決断
だとすれば、
理解 → 説明 → 選択
を大切にします。
この違いは、
小さく見えて、
とても大きな違いです。
説明を増やしても、患者さんが決められないことがある
患者さんが迷っていると、
私たちはつい、
「まだ説明が足りないのではないか」
と考えます。
そして、
さらに説明します。
症例写真を見せる。
材料の違いを説明する。
耐久性を説明する。
治療方法を説明する。
費用の理由を説明する。
しかし、
それでも患者さんから、
「少し考えます」
と言われることがあります。
なぜでしょうか。
それは、
患者さんが迷っている理由と、
こちらが説明している内容が、
ずれている可能性があるからです。
「説明不足」ではなく「患者理解不足」かもしれない
ここでいう患者理解不足とは、
患者さんの理解力が足りない、
という意味ではありません。
私たちが、患者さんを十分に理解できていない
という意味です。
患者さんは、
何に困っているのか。
何を怖いと感じているのか。
何を大切にしたいのか。
何を避けたいのか。
どんな未来を望んでいるのか。
そこがわからないままでは、
どれだけ説明を増やしても、
患者さんにとって必要な情報に届かないことがあります。
だからこそ、
私たちは、
説明を増やす前に、質問を増やす
ことを大切にしています。
「患者さんの未来を聞く」とは、壮大な夢を聞くことではない
「未来を聞く」
と言うと、
何か大きな夢や人生設計を聞くように感じるかもしれません。
しかし、
そうではありません。
たとえば、
「治療が終わったら、どんな状態になっていたいですか?」
「今困っていることが解決したら、何ができるようになりそうですか?」
「これから、お口のことでどんな状態を保っていきたいですか?」
といった質問です。
患者さんの未来とは、
遠い将来だけではありません。
治療後に、どのように過ごしたいのか。
どんな状態でいたいのか。
何を大切にして生きていきたいのか。
そこを理解することです。
「未来」を聞くと、患者さん自身も自分の希望に気づくことがある
患者さん自身が、
最初から自分の希望を明確に言葉にできるとは限りません。
「とりあえず痛みを取ってほしい」
「先生に任せます」
「できれば安い方がいいです」
という言葉だけで終わることもあります。
しかし、
丁寧に話を聞いていくと、
その奥に、
別の思いが見えてくることがあります。
「実は、人前で笑うときに口元が気になっている」
「本当は、将来入れ歯になりたくない」
「多少時間がかかっても、長く安定する方法を考えたい」
「費用だけではなく、手術が怖い」
こうした思いは、
患者さん自身も、
会話の中で初めて気づくことがあります。
つまり、
未来を聞くことは、
医院側が情報を集めるためだけではありません。
患者さん自身が、自分の希望や価値観を整理する時間
でもあるのです。
「価値を伝える」前に、「価値観を聞く」
歯科医院では、
「自費治療の価値を伝えましょう」
と言われることがあります。
しかし、
治療のメリットをたくさん説明すれば、
価値は伝わるのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
なぜなら、
価値は、
患者さんによって違うからです。
たとえば、
セラミック治療でも、
ある患者さんにとっては、
自然な見た目
が大切かもしれません。
別の患者さんにとっては、
金属を使わないこと
が重要かもしれません。
また別の患者さんにとっては、
できるだけ長く安定して使いたい
ことが最優先かもしれません。
同じ治療でも、
患者さんによって、
価値の感じ方は違います。
だからこそ、
価値を伝える前に、価値観を聞く。
これが、
質問型歯科カウンセリング®の大切な考え方です。
自費診療でも、治療のメリットを一方的に説明するのではなく、患者さんが何を大切にしているかを理解することが重要です。
患者さんを理解すると、説明はむしろ少なくできる
未来を聞くことには、
もう一つ大きな意味があります。
それは、
必要な説明を絞れること
です。
患者さんが、
「できるだけ自分の歯を削りたくない」
と考えているのであれば、
そこに関係する情報を中心に説明する。
患者さんが、
「手術が怖い」
と感じているのであれば、
治療のメリットを延々と説明する前に、
何が怖いのかを確認する。
患者さんが、
「見た目より長く使えることを大切にしたい」
と話しているのであれば、
そこに関係する情報を丁寧に伝える。
つまり、
患者さんを理解すると、
何でも説明する必要がなくなります。
説明するために聞くのではなく、必要な説明を見極めるために聞く。
これが、
患者さんにとってわかりやすい説明にもつながります。
質問型歯科カウンセリング®の5つのステップ
名古屋肇歯科経営塾では、
質問型歯科カウンセリング®を、
次の5つのステップで考えています。
1|信頼
最初に、
患者さんが安心して話せる関係をつくります。
どれだけ良い質問を用意していても、
患者さんが、
「この人には本音を言いにくい」
と感じていれば、
大切な話は出てきません。
まず、
「この人なら話しても大丈夫」
と思ってもらえる関係をつくります。
2|現状
今、
何に困っているのか。
何が不安なのか。
なぜ来院したのか。
これまで、
どんな治療経験があったのか。
を聞きます。
3|理想
本当は、
どうなりたいのか。
治療後、
どんな状態になっていたいのか。
何を取り戻したいのか。
何を守りたいのか。
を聞きます。
ここが、
患者さんの未来を聞く
という部分です。
4|ギャップ
現在の状態と、
患者さんが望む未来との間に、
どんな違いがあるのか。
必要な情報とともに整理します。
5|決断
歯科医師からの医学的な説明や、
必要な治療選択肢を理解したうえで、
患者さん自身が考え、
選びます。
最後に大切なのは、
医院側が決めさせないこと
です。
決めるのは、
患者さんです。
「説明中心」から、「患者さんを理解するカウンセリング」へ
質問型歯科カウンセリング®では、治療を上手に説明することより先に、患者さんの悩み・不安・価値観・理想の未来を理解することを大切にしています。
信頼 → 現状 → 理想 → ギャップ → 決断。
5つのステップを通して、患者さん自身が納得して治療を選べる状態をつくります。
私たちが目指すのは「決断させること」ではなく「決断できる状態をつくること」
自費診療のカウンセリングでは、
「クロージング」という言葉が使われることがあります。
しかし、
名古屋肇歯科経営塾では、
患者さんを追い込んで決断させることを、
カウンセリングの目的にはしていません。
必要な情報がわかった。
メリット・デメリットが理解できた。
費用や期間も理解できた。
自分が何を大切にしたいのか整理できた。
疑問も確認できた。
そのうえで、
患者さん自身が決められる。
私たちが目指しているのは、
「決断させること」ではなく、「決断できる状態をつくること」
です。
患者さんが選ぶのは、
自費治療かもしれません。
保険治療かもしれません。
家族への相談かもしれません。
治療の延期かもしれません。
今回は治療しない、
という選択かもしれません。
それでも、
必要な情報を理解したうえで、
患者さん自身が納得して選んだのであれば、
その意思決定を尊重します。
なぜ「話す3割・聞く7割」を大切にするのか
歯科医療従事者は、
説明することに慣れています。
専門知識があります。
患者さんへ伝えたいこともたくさんあります。
そのため、
意識しなければ、
私たちの方が長く話してしまいます。
そこで、
質問型歯科カウンセリング®では、
一つの目安として、
話す3割・聞く7割
を大切にしています。
これは、
会話時間を厳密に計測するという意味ではありません。
大切なのは、
「自分が何を話すか」より、「患者さんが何を話したか」を重視すること
です。
説明中心から、
患者理解中心へ。
その意識を持つための目安です。
良い質問は、患者さんを誘導しない
質問すれば何でも良い、
というわけではありません。
たとえば、
「長持ちする方がいいですよね?」
「見た目がきれいな方がいいですよね?」
という質問は、
患者さんの答えを誘導しています。
これでは、
患者さん自身の価値観を聞いたことにはなりません。
一方で、
「治療を選ぶとき、何を大切にしたいですか?」
と聞けば、
患者さん自身の考えが出てきます。
質問型歯科カウンセリング®で大切なのは、
自費診療へ誘導する質問ではなく、患者さんを理解するための質問
です。
「高いですね」と言われたときほど、説明より先に聞く
患者さんから、
「高いですね」
と言われることがあります。
そのとき、
「でも長持ちします」
「良い材料を使っています」
「将来的にはメリットがあります」
と説明したくなるかもしれません。
しかし、
同じ「高いですね」でも、
意味は人によって違います。
本当に予算が難しい。
想像していた金額と違った。
家族へ相談したい。
まだ治療の価値が整理できていない。
実は費用ではなく、
治療そのものに不安がある。
そこで、
すぐ説明を返すのではなく、
「どのあたりが一番気になりましたか?」
と聞きます。
患者さんの言葉を、
こちらの想像だけで解釈しない。
まず、
その意味を確認する。
これが大切です。
「考えます」と言われたときも、急いで結論へ戻さない
患者さんから、
「少し考えます」
と言われることもあります。
この言葉を聞くと、
「断られた」
と感じるかもしれません。
しかし、
「考えます」の意味も、
患者さんによって違います。
家族と相談したい。
費用を整理したい。
まだ理解できていないことがある。
治療に不安が残っている。
ただ、
今すぐ決めたくない。
さまざまです。
必要であれば、
「何かまだ整理できていないことはありますか?」
と確認します。
そして、
患者さんが考えたいのであれば、
その時間を尊重します。
考える時間も、患者さんの意思決定の一部です。
「未来を聞く」と、なぜ押し売りになりにくいのか
押し売りは、
医院側が、
「この治療を選んでほしい」
という結論を先に持つところから始まりやすくなります。
質問型歯科カウンセリング®は、
逆です。
まず、
患者さんが、
何に困っているのか。
どうなりたいのか。
何を大切にしているのか。
何を不安に感じているのか。
を聞きます。
そのうえで、
必要な情報や治療選択肢を整理します。
つまり、
出発点が、
「医院が売りたい治療」ではなく、「患者さんが望む未来」
なのです。
だからこそ、
自費診療を勧めることそのものが目的になりにくくなります。
「患者さんの未来を聞く」は、自費診療だけのための考え方ではない
質問型歯科カウンセリング®というと、
自費診療の成約率を上げる方法だと思われることがあります。
しかし、
私たちは、
自費診療だけのための方法だとは考えていません。
初診。
予防。
歯周病治療。
補綴治療。
メンテナンス。
インプラント。
入れ歯。
どの場面でも、
患者さんが何を大切にしているのかを知ることは重要です。
たとえば、
メンテナンスの患者さんから、
「80歳になっても自分の歯で食事をしたい」
という言葉が出たとします。
すると、
その患者さんにとって、
定期管理は、
単に歯石を取るための時間ではありません。
自分が望む未来を守るための時間
になります。
このように、
未来を聞くことは、
治療や予防の意味を、
患者さん自身の人生とつなげることでもあります。
患者さんの未来を聞くのは、TCだけの仕事ではない
質問型歯科カウンセリング®は、
TCだけが使う技術ではありません。
歯科医師。
歯科衛生士。
受付。
歯科助手。
それぞれの立場で、
患者さんの言葉を聞くことができます。
受付で、
「実は治療期間が長いのが心配なんです」
と話す患者さんがいるかもしれません。
歯科衛生士との会話で、
「本当は将来、入れ歯になりたくないんです」
という言葉が出るかもしれません。
こうした言葉は、
治療そのものと同じくらい、
患者さんを理解するうえで重要です。
患者さんの未来を「医院全体」で共有する
患者さんから聞いた、
悩み。
不安。
価値観。
理想。
未来。
を、
一人だけが知っていても、
医院全体の診療には生かせません。
だからこそ、
必要な内容をチームで共有します。
すると、
歯科医師は、
患者さんの希望を理解したうえで、
医学的な説明ができる。
歯科衛生士は、
患者さんが望む未来を意識して、
メンテナンスを行える。
受付は、
患者さんが気にしていることに配慮して対応できる。
TCは、
患者さんの言葉を整理し、
歯科医師やスタッフへつなげられる。
こうして、
一人の担当者が患者さんを支える医院から、チーム全体で患者さんを支える医院へ
変わっていきます。
院長一人の「説明力」に依存しない医院へ
院長が説明すると、
患者さんが納得する。
院長が話すと、
自費診療が選ばれやすい。
これは、
院長の経験や信頼があるからこそできることです。
しかし、
すべてを院長一人が担っていると、
院長が忙しいだけで、
カウンセリングの質や量が変わってしまいます。
だからこそ、
院長が持っている、
患者さんを見る視点。
話を聞く姿勢。
迷いを確認する考え方。
患者さんの価値観を理解する姿勢。
を、
医院全体へ広げていく必要があります。
質問型歯科カウンセリング®は、
患者さんとの会話方法であると同時に、
医院全体で患者さんを理解するための共通言語
でもあります。
スタッフ教育が「正解の言い方を覚える研修」から変わる
カウンセリング研修では、
「こう言われたら、こう返す」
というトークを練習することがあります。
ロールプレイとして役立つ場面はあります。
しかし、
実際の患者さんは、
台本通りには話しません。
だからこそ、
名古屋肇歯科経営塾では、
正解のセリフを覚えることより、
「なぜ患者さんは、その言葉を言ったのか?」
を考えることを大切にしています。
「高い」と言った。
なぜだろう。
「考えます」と言った。
何が引っかかっているのだろう。
「先生に任せます」と言った。
本当に理解して任せているのだろうか。
こうして、
言葉の奥にある背景を考えます。
すると、
スタッフの質問は、
「何と言えばいいですか?」
から、
「この患者さんは、こう感じているのではないでしょうか」
へ変わっていきます。
これは、
カウンセリング技術が上がっただけではありません。
スタッフ自身が考えられるようになった
という変化です。
患者さんへの質問が、スタッフ自身の「考える力」も育てる
質問型歯科カウンセリング®を学ぶことで、
変わるのは、
患者さんとの会話だけではありません。
スタッフ自身も、
考えるようになります。
今日は、
患者さんの何を聞くべきだったのか。
何を聞けなかったのか。
なぜ説明が多くなったのか。
患者さんは何を不安に感じていたのか。
次回は何を変えるのか。
こうして、
自分のカウンセリングを振り返ります。
その積み重ねが、
指示を待つスタッフから、自分で考え、改善できるスタッフへ
変わるきっかけにもなります。
自費売上は「目的」ではなく、結果の一つ
名古屋肇歯科経営塾では、
歯科医院の自費診療売上アップも支援しています。
しかし、
自費売上だけを目的に、
患者さんへのカウンセリングを設計しているわけではありません。
私たちが先に整えたいのは、
患者さんが納得して治療を選べるプロセス
です。
患者さんの話を聞く。
希望を理解する。
必要な情報を伝える。
歯科医師と連携する。
患者さん自身が考える。
そして、
納得して選ぶ。
その結果として、
自費治療が必要な患者さんに、
自費治療が選ばれることがあります。
順番は、
売上を上げるために患者さんを動かす
のではありません。
患者さんが納得して選べる医院をつくった結果として、経営にも良い変化が生まれる。
私たちは、
この順番を大切にしています。
自費売上が院長個人の説明力に依存している場合は、医院全体で患者さんを理解できる仕組みに変えていく必要があります。
成約率だけで「良いカウンセリング」を決めない
自費診療では、
成約率という数字が使われます。
経営上、
数字を見ることは必要です。
しかし、
成約率だけで、
TCやカウンセリングの良し悪しを判断すると、
「自費を選んでもらえなければ失敗」
という考え方になりかねません。
私たちがまず見たいのは、
患者さんの話を聞けたか。
不安を確認できたか。
理想を聞けたか。
価値観を理解できたか。
必要な情報を伝えられたか。
医学的なことは適切に歯科医師へつなげられたか。
患者さんの言葉をチームへ共有できたか。
患者さん自身が納得して選べたか。
という、
プロセス
です。
自費治療を選ばなかったからといって、
そのカウンセリングが失敗とは限りません。
私たちが育てたいのは「売れるTC」ではなく「選ばれるTC」
TCという役割が、
「自費を売る人」
になってしまうと、
カウンセリングは苦しくなります。
スタッフは、
「決めてもらわなければ」
と思う。
患者さんは、
「勧められている」
と感じる。
これでは、
本来のカウンセリングから離れていきます。
私たちが育てたいのは、
売れるTCではありません。
患者さんから選ばれるTC
です。
「この人なら、自分の話を聞いてくれる」
「この人なら、不安を話せる」
「この人なら、自分の希望を理解してくれる」
そう感じてもらえるTCです。
治療を売るのではなく、
患者さんが自分で選べるように支える。
それが、
私たちが考えるTCの役割です。
「説明できるTC」から、「患者さんの未来を聞けるTC」へ
患者さんを理解するカウンセリングは、知識を学んだだけでは身につきません。
カルテを確認する。
質問を準備する。
患者さんの話を聞く。
価値観や未来を理解する。
振り返る。
改善する。
この実践を繰り返すことで、初めて現場で「できる」ようになります。
マスターTC育成講座では、10ヶ月かけて、この力を育てていきます。
「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。」
この言葉には、
名古屋肇歯科経営塾が大切にしている考え方が、
凝縮されています。
治療説明を否定しているわけではありません。
説明をしなくていい、
という意味でもありません。
正しい医学的説明は、
当然必要です。
ただ、
患者さんを理解する前に、説明を始めない。
まず、
患者さんを見る。
話を聞く。
悩みを知る。
不安を知る。
価値観を知る。
理想を知る。
未来を知る。
そのうえで、
必要な治療を説明する。
この順番を、
私たちは大切にしています。
まとめ|「何を治すか」だけでなく、「どんな未来を支えるか」から始める
歯科医院は、
歯を治す場所です。
しかし、
治療を受けるのは、
歯だけではありません。
一人の患者さんです。
その患者さんには、
生活があります。
家族があります。
仕事があります。
過去の経験があります。
不安があります。
価値観があります。
そして、
これからの未来があります。
だからこそ、
私たちは、
「この歯をどう治すか」
だけではなく、
「この患者さんは、これからどうなりたいのか」
から考えたいのです。
治療方法を先に決めるのではなく、
患者さんの未来を聞く。
その未来を実現するために、
どんな治療方法が考えられるのかを、
医学的な情報とともに整理する。
そして、
患者さん自身が選ぶ。
それが、
質問型歯科カウンセリング®です。
患者さんは、治療ではなく「その先の未来」を選んでいる
インプラントを選ぶ患者さんもいます。
入れ歯を選ぶ患者さんもいます。
ブリッジを選ぶ患者さんもいます。
保険治療を選ぶ患者さんもいます。
セラミックを選ぶ患者さんもいます。
どの治療を選ぶにしても、
その先には、
患者さんが望んでいる未来があります。
家族と食事を楽しみたい。
人前で自然に笑いたい。
できるだけ自分の歯を残したい。
将来も健康でいたい。
もう歯のことで悩みたくない。
その未来を知ってから、
治療を考える。
だから、
名古屋肇歯科経営塾では、
治療を説明する前に、患者さんの未来を聞きます。
そして、
患者さん自身が、
「自分はこの治療を選びたい」
と納得して決められるよう支援します。
私たちがつくりたいのは、
説明が上手な医院ではありません。
患者さんを理解できる医院です。
自費を売れる医院ではありません。
患者さんから選ばれる医院です。
院長一人だけが患者さんを理解する医院ではありません。
チーム全体で、患者さんの未来を支えられる医院です。
その原点にあるのが、
「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。」
という考え方です。
「患者さんの未来を聞く」を、医院の文化へ
質問型歯科カウンセリング®は、一人のTCだけが使うテクニックではありません。
歯科医師。
TC。
歯科衛生士。
受付。
医院全体が患者さんの言葉を聞き、価値観を理解し、未来を共有できるようになることで、患者さんへの向き合い方そのものが変わっていきます。
「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。」
この考え方を、知識で終わらせず、医院の日常へ。












