歯科カウンセリングとは?患者さんに選ばれる医院が大切にしていること
「治療について丁寧に説明しているのに、なぜか患者さんに伝わらない」
「自費診療について話した途端、患者さんが身構えてしまう」
「説明の最後に『少し考えます』と言われることが多い」
「院長はできるけれど、スタッフにカウンセリングを任せられない」
こうした悩みは、歯科医院では決して珍しいものではありません。
そして、このような医院で一度見直していただきたいのが、歯科カウンセリングの考え方そのものです。
多くの歯科医院では、カウンセリングという言葉が、
「治療内容を説明する時間」
「自費診療の違いを伝える時間」
「費用を案内する時間」
という意味で使われています。
もちろん、説明は必要です。
しかし、説明を増やせば増やすほど患者さんが納得するとは限りません。
なぜなら患者さんが知りたいのは、単なる治療情報ではなく、
「私の場合はどうなのか」
そして、
「私は、何を選べばいいのか」
だからです。
この答えを一緒に見つけていくのが、歯科カウンセリングです。
だからこそ、カウンセリングで最初に必要なのは、うまく話すことではありません。
患者さんの話を聞くことです。
今、何に困っているのか。
何が不安なのか。
治療を選ぶうえで何を大切にしているのか。
そして、その先にどんな未来を望んでいるのか。
そこを理解したうえで、初めて治療について一緒に考える。
それが、患者さんから信頼され、選ばれる歯科医院のカウンセリングだと私たちは考えています。
- 歯科カウンセリングを体系的に学びたい方へ
- 歯科カウンセリングとは?
- 「説明」と「カウンセリング」はまったく同じではない
- なぜ丁寧に説明しているのに「考えます」と言われるのか?
- 患者さんは「治療方法」だけで決めているわけではない
- 患者さんに選ばれる医院が最初にしていること
- 歯科カウンセリングでは「現状」だけでなく「未来」を聞く
- 患者さんが求めているのは「治療」ではなく、その先にある未来
- 質問型歯科カウンセリング®の5つのステップ
- 「話す3割、聞く7割」を意識する
- 良い質問とは「答えを誘導しない質問」
- カウンセリングで使える質問例
- 上手なカウンセリングは「質問リスト」を読むことではない
- 自費カウンセリングで最も大切なのは「売らないこと」
- 自費成約率をカウンセリングのゴールにしない
- 初診だけではない|患者さんを支える4つのカウンセリング
- カウンセリングがうまくいかない医院に多い7つの原因
- 歯科カウンセリングは「技術」だから練習が必要
- 「知っている」と「できる」の間には大きな壁がある
- 良いカウンセリングができると、TCだけでなく医院全体が変わる
- 院長がすべて説明する医院から、チームで患者さんを支える医院へ
- 質問型歯科カウンセリング®とは?
- 患者さんに選ばれる医院は「説明が上手な医院」だけではない
- まとめ|歯科カウンセリングとは「患者さんの未来を一緒に考える時間」
- 「説明するTC」から「患者さんの未来を聞けるTC」へ
- 質問型歯科カウンセリング®について、もう少し詳しく知りたい方へ
歯科カウンセリングを体系的に学びたい方へ
歯科カウンセリングは、単に「何を質問するか」を覚えるだけでは身につきません。
患者さんの悩みや不安を聞くこと。
価値観を理解すること。
その先にある理想の未来を一緒に考えること。
そして、患者さん自身が納得して治療を選べるように支援すること。
こうした一連の考え方を理解することが大切です。
このページでは、歯科カウンセリングの基本から、質問の仕方、患者心理、質問型歯科カウンセリング®の5ステップ、TC育成までを体系的に解説しています。
さらに詳しく学びたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
- 具体的な質問方法を知りたい方
→ 歯科カウンセリングで最初に聞くべき5つの質問|患者さんの本音を引き出す聞き方とは? - 患者さんから「考えます」と言われる理由を知りたい方
→ 患者さんが「考えます」と言う本当の理由|自費診療で決めきれない患者心理を読み解く - なぜ患者さんの「未来」を聞くのかを深く理解したい方
→ なぜ治療を説明する前に患者さんの未来を聞くのか? - 質問型歯科カウンセリング®の5ステップを詳しく学びたい方
→ 質問型歯科カウンセリング®とは?患者さんが納得して選ぶ5ステップと考え方
歯科カウンセリングとは?
歯科カウンセリングとは、患者さんの悩み、不安、希望、価値観を丁寧に聞き、その内容を踏まえながら、患者さん自身が納得できる治療選択をするための対話です。
つまり、
医院が治療を説明するための時間ではなく、患者さんと医院が一緒に考えるための時間
です。
歯科医院側は、患者さんの口腔内を見て、
「むし歯がある」
「歯周病が進んでいる」
「歯が欠損している」
「補綴治療が必要」
と判断します。
しかし、患者さんが感じている問題は、それだけではありません。
同じ歯の欠損でも、
「噛めないことがつらい」
という人もいれば、
「人前で笑うことが気になる」
という人もいます。
あるいは、
「今はそれほど困っていないけれど、このまま歯を失っていくことが怖い」
という人もいます。
つまり、
同じ口腔内の状態でも、患者さんによって意味が違う
のです。
だからこそ大切なのは、口の中だけを見るのではなく、
その口を持つ患者さん自身を見ること。
これが歯科カウンセリングの出発点です。
歯科医院では、患者さんとの対話を担う存在としてTC(トリートメントコーディネーター)が活躍するケースもあります。
→ TC(トリートメントコーディネーター)とは?歯科医院での役割を徹底解説
「説明」と「カウンセリング」はまったく同じではない
歯科医院で非常によく見られるのが、
「カウンセリングをしているつもりが、実際はほとんど説明になっている」
という状態です。
たとえば、
「この歯は神経までむし歯が進んでいます」
「根管治療が必要です」
「被せ物には保険と自費があります」
「セラミックは見た目がきれいで、変色しにくいです」
と丁寧に話す。
内容としては間違っていません。
しかし、これは基本的には治療説明です。
説明とは、
医院側から患者さんへ情報を伝えること。
一方、カウンセリングとは、
患者さんの考えを聞き、その人にとって何が大切なのかを一緒に整理すること。
です。
つまり、
説明は「伝える」
カウンセリングは「聞く・理解する・一緒に考える」
という違いがあります。
この違いを理解していないと、カウンセリング時間を30分取っていても、その30分のほとんどをスタッフが話して終わってしまいます。
逆に、良いカウンセリングでは、
患者さんが話す時間が増えます。
ここに大きな違いがあります。
なぜ丁寧に説明しているのに「考えます」と言われるのか?
自費診療の説明をしたあとに、
「少し考えます」
「家族と相談します」
と言われることがあります。
すると医院側は、
「まだ説明が足りなかったのではないか」
と考え、さらに詳しく説明しようとします。
しかし、本当に情報不足なのでしょうか。
患者さんが決められない理由は、説明不足ではなく、
自分自身の気持ちが整理できていないこと
かもしれません。
たとえば、
「自分が何を一番大切にしたいのかわからない」
「この治療を受けた後の自分を想像できない」
「金額以外にも不安が残っている」
「本当に今治療をする必要があるのかわからない」
という状態です。
この状態の患者さんに説明を追加しても、情報が増えるだけで、決断できるとは限りません。
むしろ必要なのは、
患者さん自身が、自分の気持ちを整理できる質問
です。
ここが、説明とカウンセリングの大きな違いです。
患者さんの「考えます」という言葉には、価格だけではなく、不安や迷い、価値観が整理できていないなど、さまざまな理由があります。
患者さんは「治療方法」だけで決めているわけではない
歯科医療従事者は、どうしても治療方法を中心に考えます。
しかし患者さんは、治療方法だけを比較しているわけではありません。
患者さんの頭の中には、
「痛くないだろうか」
「長持ちするだろうか」
「費用は払えるだろうか」
「家族は何と言うだろうか」
「本当にこの医院に任せて大丈夫だろうか」
「自分の希望を理解してもらえているだろうか」
といった、さまざまな感情があります。
つまり、患者さんの決断には、
医学的な情報だけでなく、感情や価値観も大きく関わっています。
だからこそ、治療説明だけではなく、患者さんの考えを聞く時間が必要なのです。
患者さんに選ばれる医院が最初にしていること
患者さんから信頼される医院は、いきなり治療の説明を始めません。
まず、
「この患者さんは、何に困っているのだろう?」
と考えます。
たとえば、
「今日は何が一番気になって来院されましたか?」
「それによって、普段どんなことに困っていますか?」
「今までの歯科治療で嫌だった経験はありませんでしたか?」
と聞きます。
すると患者さんは、
「この医院は、治療をする前に私のことを知ろうとしてくれている」
と感じます。
人は、自分のことを理解してくれていない相手から何かを提案されると、身構えます。
逆に、
「この人は私の話を聞いてくれている」
と感じると、相手の説明にも耳を傾けやすくなります。
つまり、
説明する前に信頼をつくる。
これが、患者さんに選ばれる医院の第一歩です。
歯科カウンセリングでは「現状」だけでなく「未来」を聞く
カウンセリングでは、多くの医院が現在の悩みを聞いています。
しかし、それだけで終わってしまうことがあります。
私たちが特に大切にしているのは、
現在と未来の両方を聞くこと
です。
現在を聞く
まず、
「今、何に困っているのか」
を確認します。
たとえば、
- 痛い
- 噛めない
- 見た目が気になる
- 入れ歯が合わない
- 治療が怖い
- 過去の歯科治療で嫌な経験がある
といったことです。
これは現在地を知るために必要です。
未来を聞く
次に聞くのが、
「本当はどうなりたいのか」
です。
たとえば、
「治療が終わったら、どうなっていたらうれしいですか?」
「これからお口のことで、どんなことを大切にしたいですか?」
「5年後、10年後、どんな状態でいたいですか?」
と質問します。
この未来を聞くことで、患者さん自身も、
「自分は治療によって何を得たいのか」
を考えるようになります。
質問型歯科カウンセリング®では、患者さんの悩みや希望だけでなく、治療の先にどんな未来を望んでいるのかを質問によって引き出していきます。
患者さんが求めているのは「治療」ではなく、その先にある未来
たとえば患者さんが、
「インプラントを考えています」
と言ったとします。
そこで、
「インプラントとは、顎の骨に人工歯根を埋め込んで……」
とすぐに説明することもできます。
しかし、その前に、
「インプラントを考えるようになったのは、何か理由がありますか?」
と聞いてみます。
すると、
「入れ歯だと食事がしづらいんです」
と言うかもしれません。
さらに、
「どんなときに一番困りますか?」
と聞くと、
「家族と同じものを食べられないのが嫌なんです」
という答えが返ってくるかもしれません。
この患者さんが本当に欲しいものは、
インプラントそのものではありません。
本当に望んでいるのは、
家族と一緒に食事を楽しめる未来
です。
セラミックも同じです。
白い歯そのものが欲しいのではなく、
「人前で口元を気にせず笑いたい」
「写真を撮るときに口を隠したくない」
という未来を求めているかもしれません。
つまり、
患者さんは治療を買っているのではなく、その先の未来を選んでいる。
だからこそ、
治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。
これが、質問型歯科カウンセリング®の中心にある考え方です。
患者さんの「現在の悩み」だけではなく、なぜ「その先にある未来」まで聞くことが大切なのか。その理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ なぜ名古屋肇歯科経営塾は「治療を説明する前に患者さんの未来を聞く」のか
この考え方は、自費診療を無理に勧めず、患者さん自身に納得して選んでもらううえでも非常に重要です。
質問型歯科カウンセリング®の5つのステップ
名古屋肇歯科経営塾では、質問型歯科カウンセリング®を次の5つのステップで考えています。
1.信頼
すべてのスタートは信頼です。
患者さんが、
「この人には本音を話しても大丈夫」
と思えなければ、その先の質問に本音で答えてくれません。
まずは表情、姿勢、相づち、話すスピードなども含めて、安心して話せる関係をつくります。
2.現状
次に、
「今どんなことで困っているのか」
を聞きます。
ただ症状を聞くだけでなく、
「そのことで生活の中で何に困っているのか」
まで聞くことが大切です。
3.理想
次に、
「本当はどうなりたいのか」
を聞きます。
患者さん自身の言葉で未来を話してもらいます。
ここで、治療の目的が見えてきます。
4.ギャップ
現在と理想を比べると、
「今のままでは理想の未来に届かない」
という差が見えてきます。
この差を患者さん自身が理解することで、治療の必要性が医院側の説明ではなく、患者さん自身の気づきになります。
5.決断
最後に、治療方法について一緒に考えます。
ここで重要なのは、
医院側が決断させることではありません。
患者さん自身が、
「私はこうしたい」
と言える状態をつくることです。
つまり、カウンセリングのゴールは、
成約ではなく、納得した自己決定
です。
質問型歯科カウンセリング®では、患者さんを説得して治療へ導くのではなく、質問を通して患者さん自身が「自分はどうなりたいのか」「何を大切にしたいのか」に気づき、納得して治療を選べることを大切にしています。
5つのステップの考え方や、質問型歯科カウンセリング®についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
→ 質問型歯科カウンセリング®とは?患者さんが自ら気づき、納得して治療を選ぶ歯科カウンセリングの新しい考え方
「話す3割、聞く7割」を意識する
カウンセリングが苦手なスタッフほど、
「何か話さなければ」
「説明しなければ」
と考えます。
しかし、それが説明過多につながります。
一つの目安として、
話す3割、聞く7割
を意識すると、カウンセリングは変わりやすくなります。
もちろん、時間を正確に測る必要はありません。
大切なのは、
自分の方が患者さんより長く話していないか
を振り返ることです。
患者さんが話しているときには、
途中で遮らない。
相づちをする。
患者さんの言葉を繰り返す。
少し待つ。
さらに詳しく聞く。
このような姿勢が、患者さんの本音を引き出します。
良い質問とは「答えを誘導しない質問」
質問をする際に注意したいのが、患者さんをこちらの望む答えへ誘導しないことです。
たとえば、
「やっぱり長持ちする方がいいですよね?」
と聞けば、
多くの患者さんは、
「そうですね」
と答えます。
しかし、それでは本当の価値観はわかりません。
それよりも、
「治療を選ぶとしたら、何を一番大切にしたいですか?」
と聞く。
すると、
「長持ちよりも、今は費用を抑えたいです」
という答えが返ってくるかもしれません。
カウンセリングで必要なのは、
こちらが聞きたい答えを言わせることではありません。
患者さん自身の考えを知ることです。
カウンセリングで使える質問例
現状を知る質問
- 今、一番困っていることは何ですか?
- いつ頃から気になっていますか?
- 日常生活で困っていることはありますか?
- これまでの歯科治療で嫌だった経験はありませんか?
- 今回の治療について不安なことはありますか?
理想を知る質問
- 治療が終わったら、どんな状態になっていたらうれしいですか?
- 今後、お口についてどんなことを大切にしたいですか?
- これからどんな状態を維持していきたいですか?
- 5年後、10年後、どんなお口でいたいですか?
価値観を知る質問
- 治療を選ぶうえで一番大切にしたいことは何ですか?
- 見た目、長持ち、費用、治療期間などで優先したいことはありますか?
- 治療を決めるうえで気になっていることはありますか?
会話を深める質問
- そう思われたのは、何かきっかけがありますか?
- もう少し詳しく教えていただけますか?
- それによって、どんなことに困っていますか?
- もしその悩みがなくなったら、どんなことをしてみたいですか?
ただし、質問は多ければ良いわけではありません。
重要なのは、
患者さんの答えを聞き、その答えから次の質問を考えること
です。
「実際のカウンセリングでは、最初に何を聞けばよいのかわからない」という方は、患者さんの本音を引き出すための具体的な質問と、そこから会話を深めていく方法をこちらの記事で詳しく解説しています。
→ 歯科カウンセリングで最初に聞くべき5つの質問|患者さんの本音を引き出す聞き方とは?
上手なカウンセリングは「質問リスト」を読むことではない
質問型カウンセリングというと、
「質問項目を覚えればできる」
と思われることがあります。
しかし、患者さんの答えを無視して、次々と質問を続けてしまえば、それはカウンセリングではなく問診です。
たとえば患者さんが、
「見た目が気になります」
と言ったとします。
そこで、
「ではセラミックがあります」
と説明に進むのではなく、
「どんな場面で一番気になりますか?」
と聞きます。
すると、
「人前で話す仕事なので、相手の目線が口元にいっている気がするんです」
と答えるかもしれません。
さらに、
「それが改善したら、どんな気持ちで仕事ができそうですか?」
と聞く。
ここまで聞くことで、患者さんが治療によって求めている未来が見えてきます。
つまり、
良い質問は、用意した質問リストではなく、患者さんの言葉の中から生まれる
のです。
自費カウンセリングで最も大切なのは「売らないこと」
自費診療では、
「どのように説明すれば成約率が上がるか」
ということに意識が向きやすくなります。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
スタッフが、
「自費を選んでもらわなければ」
と思った瞬間から、会話は患者さん中心ではなくなります。
説明する言葉。
質問の仕方。
沈黙への反応。
こうしたところに「売りたい」という気持ちが表れます。
患者さんはそれを敏感に感じ取ります。
だからこそ、
自費を売ろうとしないこと
が大切です。
患者さんの悩みを聞く。
希望を聞く。
価値観を聞く。
治療の選択肢を伝える。
そして最後は、
患者さん自身に選んでもらう。
この姿勢が重要です。
自費診療を説明しているのに患者さんがなかなか選ばない場合は、説明内容だけでなく、カウンセリングの順番そのものを見直す必要があります。
自費成約率をカウンセリングのゴールにしない
歯科医院経営において、自費成約率は重要な指標の一つです。
しかし、現場のTCが、
「成約させること」
をゴールにしてしまうのは危険です。
なぜならTCの目的は、契約を取ることではないからです。
カウンセリングのゴールは、
患者さんが十分に理解し、納得して、自分で決められたか
です。
患者さんによっては保険診療を選ぶこともあります。
「今回は治療しない」という判断をする場合もあります。
それでも、
「ちゃんと話を聞いてくれた」
「自分で考えて決められた」
「無理に勧められなかった」
と感じてもらえれば、その医院への信頼は残ります。
そして長い目で見ると、
信頼される医院ほど、自費診療も自然に選ばれやすくなる
と私たちは考えています。
初診だけではない|患者さんを支える4つのカウンセリング
歯科カウンセリングは、初診時に一度行って終わりではありません。
患者さんの気持ちは治療の進行とともに変化します。
そのため、名古屋肇歯科経営塾では主に4つのカウンセリングを大切にしています。
初診カウンセリング
悩み、不安、希望、過去の治療経験、価値観などを聞きます。
目的は、
患者さんを知ること。
です。
セカンドカウンセリング
検査結果や歯科医師からの説明を受けたあと、
「どこまで理解できたか」
「何が気になっているか」
「今どう感じているか」
を確認します。
補綴カウンセリング
治療方法や材料の違いを説明するだけではなく、
患者さんが何を優先したいのか
を確認しながら一緒に考えます。
アフターカウンセリング
治療後に、
「治療前と比べてどう変わったか」
「最初の悩みはどうなったか」
「これからどうしていきたいか」
を振り返ります。
つまり、カウンセリングとは、
治療前だけに行うものではなく、患者さんと長く信頼関係を築いていくプロセス
なのです。
カウンセリングがうまくいかない医院に多い7つの原因
カウンセリングを導入しているのに、なかなか成果につながらない場合があります。
そのような医院では、次のようなことが起きていないか確認してみてください。
- 患者さんの話を聞く前に治療説明を始めている
- スタッフが話す時間の方が長い
- マニュアル通りの質問だけになっている
- 患者さんの未来を聞いていない
- 治療の特徴や材料の違いばかり説明している
- カウンセリング後の振り返りをしていない
- TCを自費成約率だけで評価している
一つでも当てはまれば、そこに改善のヒントがあります。
歯科カウンセリングは「技術」だから練習が必要
「人と会話することなら誰でもできる」
と思われるかもしれません。
しかし、
患者さんの本音を聞く。
価値観を理解する。
未来について質問する。
話を深める。
沈黙を待つ。
患者さんの言葉から次の質問を考える。
これらはすべて、技術です。
だからこそ、練習が必要です。
セミナーで、
「患者さんの話を聞きましょう」
と学べば、その場では理解できます。
しかし翌日、実際の患者さんを前にすると、
「何を聞けばいいかわからない」
「沈黙が怖い」
「つい説明してしまう」
ということが起こります。
だからこそ、
学ぶ
↓
ロールプレイする
↓
実際の患者さんに実践する
↓
振り返る
↓
改善する
という繰り返しが必要です。
一度の研修だけでは、患者さんを目の前にしたときに自然な質問ができるようになるとは限りません。
「知っている」と「できる」の間には大きな壁がある
良い質問を知っている。
傾聴が大切だと知っている。
患者さんの未来を聞くことが重要だと知っている。
しかし、
知っていることと、実際にできることは違います。
患者さんを前にして、
自然に質問できる。
患者さんの言葉を深く聞ける。
焦って説明に逃げない。
患者さんに合わせて質問を変えられる。
こうした力は、一度の研修だけでは簡単には身につきません。
だからこそ、私たちはTC育成に時間をかけることを大切にしています。
カウンセリングは、知識を学ぶだけでは身につきません。
マスターTC育成講座では、質問型歯科カウンセリング®を学び、ロールプレイ・現場実践・振り返りを繰り返しながら、「知っている」を「できる」に変えていきます。
良いカウンセリングができると、TCだけでなく医院全体が変わる
歯科カウンセリングを整えるメリットは、自費診療だけではありません。
スタッフが患者さんの話を聞くようになると、
「この患者さんは何を大切にしているのか」
を院内で共有するようになります。
すると、
院長。
歯科衛生士。
TC。
歯科助手。
受付。
それぞれが、患者さんを「治療する対象」ではなく、
一人の人として見るようになります。
患者さんにとっても、
「受付でも、衛生士でも、先生でも、自分のことをわかってくれている」
という安心感につながります。
つまり、カウンセリングを整えることは、
TC一人のスキルアップではありません。
患者さんとの向き合い方を、医院全体で変えていくことでもあるのです。
院長がすべて説明する医院から、チームで患者さんを支える医院へ
自費診療が院長に依存している医院では、
「院長が説明すると決まるけれど、スタッフでは決まらない」
ということがあります。
この状態では、院長の負担が大きくなります。
さらに、医院が大きくなるほど、すべての患者さんに院長が十分な時間を取ることは難しくなります。
だからこそ、
患者さんの話を聞けるスタッフを育てること
が重要です。
TCが患者さんの希望を聞き、
歯科衛生士がその情報を理解し、
歯科医師が診断・治療方針を示し、
受付も患者さんの状況を理解する。
こうしたチーム医療ができれば、
院長一人の力に依存しない医院づくり
につながります。
TCだけではなく、院長・スタッフ全体で患者さんへの向き合い方や医院経営を継続的に学びたい方は、名古屋塾についてもご覧ください。
質問型歯科カウンセリング®とは?
名古屋肇歯科経営塾では、
質問型歯科カウンセリング®
という考え方をお伝えしています。
その基本は、とてもシンプルです。
治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。
こちらがたくさん話すのではなく、
患者さんに質問する。
患者さんの言葉を聞く。
患者さんの価値観を理解する。
患者さんの理想を一緒に考える。
そのうえで初めて、
「では、その未来を実現するためには、どんな治療方法が考えられるでしょうか」
と治療について話します。
つまり、
聞く
↓
理解する
↓
一緒に考える
↓
患者さん自身が選ぶ
という流れです。
質問は、患者さんを自費治療へ誘導するために行うのではありません。
患者さん自身が、
「私はどうなりたいのか」
「私は何を大切にしたいのか」
に気づくために行います。
それが、質問型歯科カウンセリング®です。
質問型歯科カウンセリング®の考え方や、私たちが大切にしている「治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く」という理念について、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
患者さんに選ばれる医院は「説明が上手な医院」だけではない
もちろん、治療についてわかりやすく説明できることは大切です。
しかし、患者さんが医院を信頼する理由は、それだけではありません。
患者さんが、
「この医院は、私のことをわかってくれている」
と感じること。
そして、
「ここなら、自分の希望を話してもいい」
と思えること。
ここに信頼が生まれます。
患者さんから選ばれる歯科医院とは、
ただ説明が上手な医院ではなく、
患者さんの話を聞ける医院。
患者さんの価値観を理解できる医院。
患者さんの未来を一緒に考えられる医院。
私たちは、そう考えています。
まとめ|歯科カウンセリングとは「患者さんの未来を一緒に考える時間」
歯科カウンセリングとは、単に治療方法や費用を説明するための時間ではありません。
患者さんが、
今、何に困っているのか。
何を不安に感じているのか。
何を大切にしているのか。
どんな未来を望んでいるのか。
そこを理解しながら、
患者さん自身が納得できる治療を一緒に考えていく時間です。
大切なのは、
説明する前に聞くこと。
そして、
治療を提案する前に、患者さんの未来を聞くこと。
医院側が答えを押しつけるのではありません。
患者さん自身が、
「私はこうしたい」
と言える状態をつくる。
そこまで支援できて初めて、良いカウンセリングと言えるのではないでしょうか。
「説明するTC」から「患者さんの未来を聞けるTC」へ
名古屋肇歯科経営塾では、歯科医院の院長・スタッフを対象に、10ヶ月間のマスターTC育成講座を開催しています。
マスターTC育成講座は、
「質問方法を知る」
「カウンセリングの型を覚える」
だけの講座ではありません。
質問型歯科カウンセリング®を学び、
患者さんごとに質問を準備し、
ロールプレイを行い、
実際の診療現場で実践し、
振り返り、
改善する。
このサイクルを繰り返しながら、
「知っている」を「できる」に変えていく10ヶ月間
です。
目指すのは、
治療を上手に売れるTCではありません。
患者さんの話を聞き、患者さん自身が納得できる選択を支援できるTC。
そして、
「この人に相談してよかった」
と患者さんから思ってもらえるTCです。
もし、
「カウンセリングが説明中心になっている」
「スタッフが何を質問すればよいかわからない」
「自費治療を勧めることにスタッフが抵抗を感じている」
「院長が毎回治療説明をしている」
「スタッフにも患者さんから信頼される力を身につけてもらいたい」
「医院全体のカウンセリング力を高めたい」
と感じているのであれば、
説明の仕方を変える前に、
患者さんへの“聞き方”から見直してみてください。
治療を提案する前に、患者さんの未来を聞く。
“知っている”を“できる”に。
治療を売るTCではなく、患者さんから選ばれるTCへ。
それが、名古屋肇歯科経営塾のマスターTC育成講座で目指している姿です。
質問型歯科カウンセリング®について、もう少し詳しく知りたい方へ
患者さんへの説明を増やすのではなく、患者さんの悩みや希望、そして治療の先に望んでいる未来を聞くことから始める「質問型歯科カウンセリング®」について、基本的な考え方から詳しく解説しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
→ 歯科カウンセリングとは?患者さんに選ばれる医院が大切にしていること













