歯科医院のスタッフ教育は何から始めればいい?|人が育つ医院をつくる5つの土台
「スタッフ教育をしなければいけないのはわかっている。でも、何から始めればいいかわからない」
「接遇、電話対応、カウンセリング、自費説明……教えたいことが多すぎる」
「研修をしても、しばらくすると元に戻ってしまう」
「スタッフによって患者さんへの対応がバラバラ」
「何度言っても、院長の指示がないと動いてくれない」
歯科医院のスタッフ教育について、このような悩みを持つ院長先生は少なくありません。
スタッフ教育というと、
マニュアルを作る。
研修を受けさせる。
接遇を教える。
カウンセリングを教える。
ミーティングを増やす。
といった方法を考えがちです。
もちろん、どれも必要なことです。
スタッフ教育では、研修を受けたことよりも、学んだことを現場で実践できるかが重要です。
しかし、
いきなり「何を教えるか」から始めると、
教育がうまくいかないことがあります。
なぜなら、
スタッフ教育で最初に揃えるべきなのは、
知識でも、
話し方でも、
マニュアルでもないからです。
最初に揃えたいのは、
「この医院では、患者さんにどう向き合うのか」
という判断基準です。
そして、その考え方を、
毎日の具体的な行動へ落とし込みます。
スタッフ教育の目的は、
研修を受けることではありません。
現場の行動が変わり、その行動が習慣になり、やがてスタッフ自身が考えて動けるようになること
です。
この記事では、
歯科医院のスタッフ教育を始めるときに整えたい5つの土台と、
「院長が言わないと動かない医院」から「スタッフが自分で考えて動ける医院」へ変えていく育成の進め方
を解説します。
- 歯科医院のスタッフ教育・組織づくりを体系的に学びたい方へ
- スタッフ教育がうまくいかない医院に多い3つの問題
- 土台1|「どんな医院でありたいか」を言葉にする
- 土台2|患者さんへの「基本姿勢」を揃える
- 土台3|最初は5〜10個の「基本行動」に絞る
- 土台4|「教える」から「やってみる」へ進む
- 土台5|「振り返る仕組み」をつくる
- スタッフ教育は「知識→行動→習慣→自立」で考える
- 「自分で考えて動いてほしい」なら、まず判断基準を共有する
- 院長の役割も「答えを教える人」から変えていく
- スタッフ教育では「結果」より先に「行動」を見る
- スタッフ教育を「できていない人を直す時間」にしない
- 「できない=やる気がない」と決めつけない
- スタッフによって「教え方」は変えていい
- 新人教育と既存スタッフ教育は分けて考える
- 最初に育てたいのは「患者さんの話を聞く力」
- 「説明が上手なスタッフ」より「患者さんを理解できるスタッフ」を育てる
- 質問型歯科カウンセリング®の考え方は、TCだけのものではない
- スタッフ教育は、この7ステップから始める
- 院内ミーティングを「連絡の時間」だけで終わらせない
- 最初の3ヶ月は「スタッフを変える」より「教育が続く仕組み」をつくる
- まとめ|スタッフ教育は「何を教えるか」ではなく「どんな医院をつくるか」から始める
- 「言われたら動くスタッフ」から、「自分で考えて動けるスタッフ」へ
- 「説明できるスタッフ」から、「患者さんを理解できるTC」へ
- スタッフ教育・組織づくりをさらに学びたい方へ
歯科医院のスタッフ教育・組織づくりを体系的に学びたい方へ
スタッフ教育がうまくいかない原因は、スタッフ個人の能力や「やる気」だけにあるとは限りません。
医院として大切にする考え方が共有されているか。
スタッフが判断するときの基準が明確になっているか。
学んだことを実践し、振り返り、改善する仕組みがあるか。
院長先生に判断や仕事が集中しすぎていないか。
スタッフが自分で考えて行動できる環境になっているか。
こうした医院側の仕組みも、人材育成に大きく関わっています。
このページでは、歯科医院のスタッフ教育を始めるための基本から、行動の習慣化、自立するスタッフの育て方、院長の関わり方、チームづくりまでを体系的に解説しています。
さらに詳しく知りたいテーマがある方は、次の記事もあわせてご覧ください。
「結局すべて自分がやっている」という院長先生へ
→ 院長一人で頑張る歯科医院から抜け出す方法|院長依存から「チームで動く医院」へ変える7つのポイント
「スタッフが指示待ちになっている」と感じている院長先生へ
→ スタッフが自分で考えて動く医院を作るには|「指示待ち」から「自走するチーム」へ変える7つのポイント
院長とスタッフが一緒に継続して学べる環境をつくりたい方へ
→ 名古屋塾では何を学ぶ?月4回のオンライン経営塾を紹介
スタッフ教育がうまくいかない医院に多い3つの問題
スタッフ教育を考える前に、
まず、なぜ教育が定着しないのかを整理してみましょう。
1|「やり方」だけを教えている
たとえば、
「患者さんにはこう言ってください」
「この質問をしてください」
「こう説明してください」
と、方法を教えます。
スタッフも、その場では理解します。
しかし、
なぜそうするのか
がわかっていなければ、
マニュアルにない場面で対応できません。
忙しくなる。
想定外の患者さんが来る。
院長が見ていない。
そんなときに、
以前のやり方へ戻ります。
必要なのは、
やり方より先に、
「なぜこの行動をするのか」という考え方を共有すること
です。
2|院長の頭の中にしか「正解」がない
院長先生の中には、
「こういう患者対応をしてほしい」
「この場合はこう判断してほしい」
という基準があります。
しかし、
それがスタッフに言語化されていないことがあります。
するとスタッフは、
「院長ならどうするだろう」
「これをやったら怒られないかな」
と推測しながら仕事をします。
これでは、
自分で考えて行動することは難しくなります。
「自分で考えてほしい」なら、先に基準を渡す
スタッフに、
「もっと自分で考えて動いてほしい」
と望むのであれば、
まず、
何を大切にして判断するのか
を渡す必要があります。
判断基準がないまま、
「考えて動いて」
と言われても、
スタッフは何を基準に考えればいいかわかりません。
3|結果ばかりを評価している
たとえば、
「自費成約率が低い」
「次回予約率が低い」
「口コミが増えない」
といった数字だけで評価することがあります。
もちろん、
数字は大切です。
しかし、
育成初期では、
結果の前にある、
行動
を見る必要があります。
患者さんの話を聞いたか。
不安を確認したか。
必要な情報を伝えたか。
患者さんが理解したかを確認したか。
記録したか。
振り返ったか。
結果は、
こうした日々の行動の積み重ねから生まれます。
だからこそ、
スタッフ教育では、
結果だけでなく「良い結果につながる行動」を育てる
ことが重要です。
自費診療の成約率が上がらない場合も、数字だけではなく、その前のカウンセリング行動を確認することが重要です。
土台1|「どんな医院でありたいか」を言葉にする
スタッフ教育の出発点は、
テクニックではありません。
まず、
医院として患者さんにどう向き合うのか
を明確にします。
たとえば、
患者さんをできるだけ効率よく診ることを優先する医院と、
一人ひとりの話を丁寧に聞くことを大切にする医院では、
スタッフの行動は変わります。
また、
「自費を多く説明すること」
を重視する医院と、
「患者さんが保険・自費を含めた選択肢を理解し、納得して選べること」
を重視する医院でも、
カウンセリングの内容は変わります。
だからこそ、
まずスタッフ全員で、
「私たちは患者さんに、どんな医院だと思ってもらいたいのか」
を共有します。
理念を「きれいな言葉」で終わらせない
たとえば、
「患者さんに寄り添う」
「地域に貢献する」
「質の高い医療を提供する」
という理念があったとします。
しかし、
それだけでは、
スタッフは具体的に何をすればいいかわかりません。
そこで、
理念を、
毎日の行動へ変換します。
「患者さんに寄り添う」
のであれば、
患者さんの話を途中で遮らない。
説明前に不安を聞く。
前回話した内容をカルテで確認する。
専門用語をわかりやすく言い換える。
理解できたか確認する。
という行動にします。
理念は「暗記するもの」ではなく「迷ったときに使うもの」
スタッフ教育で本当に大切なのは、
理念を言えることではありません。
想定外のことが起きたときに、
「この医院が大切にしていることから考えると、どうするべきか」
と判断できることです。
理念が、
スタッフの判断基準になって初めて、
医院の文化になります。
土台2|患者さんへの「基本姿勢」を揃える
次に、
医院全体で患者さんへの基本姿勢を揃えます。
たとえば、
患者さんの話を最後まで聞く。
否定から入らない。
わからないことを曖昧に答えない。
医学的判断が必要なことは歯科医師へ確認する。
専門用語ばかりで説明しない。
患者さんの希望を確認する。
治療方法を一方的に決めない。
といったことです。
「何を言うか」より「患者さんをどう見るか」
接遇。
話し方。
質問方法。
説明方法。
こうしたスキルは、
後から伸ばせます。
しかし、
患者さんを、
「説明を聞く人」
として見るのか、
それとも、
「自分の治療を一緒に考え、自分で選ぶ人」
として見るのかで、
スタッフの行動は大きく変わります。
だからこそ、
スタッフ教育では、
何を言うかより先に、患者さんにどう向き合うかを揃える
ことが重要です。
患者さんへの向き合い方を整えるうえでは、説明する前に患者さんの悩みや不安、希望を聞く姿勢が重要です。
→ 歯科カウンセリングとは?患者さんに選ばれる医院が大切にしていること
土台3|最初は5〜10個の「基本行動」に絞る
スタッフ教育を始めるからといって、
最初から何十ページものマニュアルを作る必要はありません。
まずは、
これだけは全員が毎日実践する
という基本行動を、
5〜10個程度に絞ります。
たとえば、
- 担当する患者さんのカルテを事前に確認する
- 患者さんの名前を呼んで挨拶する
- 患者さんの話を途中で遮らない
- 説明前に不安や疑問を確認する
- わからないことを自己判断で答えない
- 説明後に理解できたか確認する
- 患者さんが話した大切な内容を記録する
- 必要な情報を歯科医師・スタッフ間で共有する
- 1日の終わりに一つ振り返る
などです。
特にTC育成では、最初の段階で基本行動を絞り、毎日の実践を通して習慣にしていくことが重要です。
50個知っているより、10個を毎回できる方が強い
スタッフ教育では、
つい、
「あれも教えよう」
「これも必要」
となります。
しかし、
50個知っていても、
実際にできることが10個しかなければ、
医院は変わりません。
反対に、
10個しか教えていなくても、
その10個を全員が毎回できれば、
患者対応は大きく変わります。
教育では、知識量より再現性を重視する。
これが重要です。
土台4|「教える」から「やってみる」へ進む
スタッフ教育というと、
院長や講師が話し、
スタッフが聞く。
という形になりがちです。
しかし、
聞いただけでは、
現場で使えるようにはなりません。
そこで、
教えたら、
必ず、
実際にやってみる時間
をつくります。
たとえば、
患者さんへの声かけ。
電話対応。
初診での質問。
治療説明後の確認。
「高いですね」と言われた場面。
「考えます」と言われた場面。
をロールプレイします。
ロールプレイは「正解の言葉」を覚えるためではない
ロールプレイの目的は、
模範解答を暗記することではありません。
実際に言ってみる。
言葉に詰まる。
患者役から想定外の返答が返ってくる。
そこで考える。
この経験をすることです。
現場で考えられるスタッフを育てたいなら、考える練習が必要です。
スタッフ教育は、一度の研修や声かけだけで完成するものではありません。
院長先生とスタッフが同じ考え方を学び、医院で実践し、振り返り、改善を続けることで、少しずつ「自分で考えて動ける組織」に変わっていきます。
名古屋塾では、スタッフ教育・人材育成・組織づくりを、医院全体で継続して学びます。
名古屋塾について詳しく見る
→ https://nagoyahajime.com/nagoyajuku/
土台5|「振り返る仕組み」をつくる
スタッフ教育で、
最も重要なのに抜けやすいのが、
振り返りです。
研修をした。
ロールプレイをした。
マニュアルを渡した。
そこで終わってしまう。
しかし、
本当に成長が始まるのは、
現場で実践したあと
です。
たとえば、
「今日できたことは何だった?」
「患者さんは何を気にしていた?」
「説明しすぎなかった?」
「患者さんの希望を聞けた?」
「もう一度同じ場面が来たら、何を変える?」
と振り返ります。
振り返りは「反省会」にしない
振り返りが、
「できなかったところを指摘される時間」
になると、
スタッフは失敗を隠すようになります。
そうなると、
学びは止まります。
振り返りの目的は、
誰が悪かったかを決めることではありません。
次の一回を、少し良くすること
です。
できたことを一つ。
次に改善することを一つ。
それだけでも十分です。
スタッフ教育は「知識→行動→習慣→自立」で考える
スタッフ教育は、
次の4段階で考えるとわかりやすくなります。
第1段階|知識
医院として何を大切にするのか。
なぜその行動が必要なのか。
を理解する。
第2段階|行動
実際にやってみる。
第3段階|習慣
誰かに言われなくても、
毎回できるようになる。
第4段階|自立
自分で振り返り、
自分で改善できるようになる。
つまり、
教育のゴールは、
「教えたことを実行するスタッフ」を育てることだけではありません。
最終的には、
「自分で考え、自分で改善できるスタッフ」
を育てることです。
「教える医院」から、「人が育つ医院」へ
スタッフ教育は、単発の研修だけではなかなか定着しません。
医院として大切にする考え方を共有し、現場で実践し、振り返り、改善する。
このサイクルを医院の日常に組み込むことで、少しずつ「指示を待つスタッフ」から「自分で考えて動けるスタッフ」へ変わっていきます。
名古屋塾では、院長・TC・DH・受付が継続的に学び、医院で実践するための環境をつくっています。
「自分で考えて動いてほしい」なら、まず判断基準を共有する
院長先生から、
「うちのスタッフは、自分で考えて動いてくれない」
という相談を受けることがあります。
しかし、
スタッフ側からすると、
「どこまで自分で判断していいかわからない」
ということもあります。
だからこそ、
何を自分で判断していいのか。
何は歯科医師へ相談するのか。
困ったときに何を優先するのか。
を明確にします。
特に歯科医院では、
診断。
治療方針。
医学的判断。
は、
歯科医師が担う領域です。
一方、
患者さんの不安を聞く。
患者さんが理解できているか確認する。
大切な情報を歯科医師へ共有する。
院内でできる範囲の対応を考える。
こうしたことは、
スタッフ自身が考えられるように育てていきます。
自分で考えて成長できるスタッフを見つける際も、話の上手さだけではなく、患者さんへの興味や振り返る姿勢を見ることが大切です。
スタッフに「もっと自分で考えて動いてほしい」と感じている場合は、本人の主体性だけを求めるのではなく、医院として「何を基準に考えるのか」「どこまで自分で判断してよいのか」を整えることが重要です。
指示待ちの状態から、自分で考えて動けるチームへ変えていく具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ スタッフが自分で考えて動く医院を作るには|「指示待ち」から「自走するチーム」へ変える7つのポイント
院長の役割も「答えを教える人」から変えていく
スタッフが相談に来るたびに、
院長が、
「こうすればいい」
「この場合はこう言えばいい」
と全部答えていると、
短期的には仕事が早く進みます。
しかし、
長期的には、
スタッフが、
「困ったら院長に聞けばいい」
という状態になりやすくなります。
そこで、
すぐ答えを伝える前に、
「あなたはどう思う?」
「患者さんは何を気にしていたと思う?」
「医院として大切にしていることから考えると、どうする?」
と質問します。
院長が答えを減らすと、スタッフが考え始める
スタッフ教育のゴールは、
院長と同じ答えを言えるスタッフをつくることではありません。
医院の考え方を理解し、
その基準を使いながら、
自分で判断できるスタッフを育てることです。
スタッフが育たず、患者対応や判断、教育まで院長先生に集中している場合は、スタッフ教育だけでなく「院長依存」という医院全体の構造から見直す必要があります。
院長先生がすべてを抱える医院から、スタッフと役割を分担し、チームで動ける医院へ変えていく方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 院長一人で頑張る歯科医院から抜け出す方法|院長依存から「チームで動く医院」へ変える7つのポイント
スタッフ教育では「結果」より先に「行動」を見る
たとえば、
TCなら自費成約率。
受付なら次回予約率。
予防ならメンテナンス継続率。
こうした数字は重要です。
しかし、
育成初期から数字だけを追うと、
スタッフは、
「結果を出さなければ」
という意識になりやすくなります。
すると、
患者さんの話を聞くより、
結果につながりそうな行動を急いでしまうこともあります。
だからこそ、
まず、
カルテを確認したか。
患者さんの話を最後まで聞いたか。
不安を確認したか。
必要な説明ができたか。
記録したか。
振り返ったか。
という、
本人がコントロールできる行動
を評価します。
良い行動が、良い結果の土台になる
行動が変わる。
それが習慣になる。
患者対応の質が上がる。
その先に、
医院の数字があります。
この順番を崩さないことが大切です。
スタッフ教育を「できていない人を直す時間」にしない
スタッフ教育というと、
できていないところを見つけ、
修正するものになりがちです。
しかし、
それだけでは、
スタッフにとって教育は、
「注意される時間」
になります。
本来の教育は、
できることを増やす時間
です。
できたことを確認する。
次の課題を一つ決める。
実践する。
振り返る。
また一つできることを増やす。
この積み重ねが、
人を育てます。
「できない=やる気がない」と決めつけない
スタッフが教えたことを実践できないと、
「やる気がない」
「何度言っても変わらない」
と思ってしまうことがあります。
しかし、
できない理由は、
本人の気持ちだけとは限りません。
何をすればいいか曖昧。
一度しか教えていない。
実際に練習する時間がない。
忙しすぎて実践できない。
できているか確認する仕組みがない。
フィードバックを受ける機会がない。
こうした、
教育する側の仕組み
に原因があることもあります。
だからこそ、
「なぜできないのか」
を考えるときは、
本人だけでなく、
できる環境になっているか
も確認してください。
スタッフによって「教え方」は変えていい
同じことを教えても、
理解しやすい方法は人によって違います。
一度見れば理解できる人。
何度か練習して身につく人。
文章で読んだ方がわかりやすい人。
ロールプレイの方が理解しやすい人。
実際の症例を使った方が考えやすい人。
さまざまです。
だから、
教える内容の基準は揃えても、教え方は変えていい
のです。
教育とは、
同じ教え方を全員にすることではなく、
その人ができるようになる方法を考えること
でもあります。
新人教育と既存スタッフ教育は分けて考える
新人スタッフは、
まだ医院独自の仕事の仕方が身についていません。
そのため、
最初から、
理念。
患者対応。
基本行動。
報告・連絡・相談。
などを伝えやすい状態です。
一方、
既存スタッフには、
これまで積み重ねてきた自分なりのやり方があります。
そのため、
「今日から全部変えます」
では、
戸惑いや反発が生まれることがあります。
既存スタッフには、
なぜ変えるのか。
何を目指すのか。
今までの良いところは何か。
これから何を変えるのか。
を丁寧に共有します。
変化を求める前に、変える理由を共有する。
これも大切な教育です。
最初に育てたいのは「患者さんの話を聞く力」
スタッフ教育には、
さまざまなテーマがあります。
しかし、
その中でも私が特に大切だと考えているのが、
患者さんの話を聞く力
です。
なぜなら、
患者さんを理解できなければ、
その後の対応を適切に選ぶことが難しいからです。
何に困っているのか。
何を不安に感じているのか。
何を大切にしているのか。
どんな治療経験があるのか。
本当はどうなりたいのか。
ここを聞くことが、
患者対応の土台になります。
「説明が上手なスタッフ」より「患者さんを理解できるスタッフ」を育てる
歯科医院では、
知識が豊富で、
説明が上手なスタッフが評価されやすいことがあります。
もちろん、
説明力は大切です。
しかし、
患者さんが、
何を知りたいのか。
何を不安に思っているのか。
何を大切にしているのか。
がわからないまま説明しても、
患者さんにとって必要な情報とは限りません。
だからこそ、
スタッフ教育では、
「上手に説明する」より先に、「患者さんを理解する」力を育てる
ことが大切です。
質問型歯科カウンセリング®の考え方は、TCだけのものではない
名古屋肇歯科経営塾では、
信頼 → 現状 → 理想 → ギャップ → 決断
という5つのステップで考えています。
これは、
TCだけが使う特別な技術ではありません。
受付。
歯科助手。
歯科衛生士。
歯科医師。
すべてのスタッフに共通する、
患者さんへの向き合い方につながります。
患者さんを、
「説明を受ける人」
として見るのではなく、
「自分の治療を自分で選ぶ人」
として見る。
だからこそ、
説明する前に、
まず聞く。
この姿勢を、
医院全体で共有することが大切です。
スタッフ教育は、この7ステップから始める
最初から、
大がかりな教育制度を作る必要はありません。
まずは、
次の順番で始めてみてください。
STEP1|医院として大切にすることを決める
どんな患者対応をする医院にしたいのかを言葉にします。
STEP2|基本行動を5〜10個決める
理念を、毎日の行動へ変えます。
STEP3|一つずつ教える
一度に全部ではなく、
優先順位を決めます。
STEP4|ロールプレイする
実際に声に出して練習します。
STEP5|現場で実践する
実際の患者対応で使います。
STEP6|短く振り返る
できたこと。
難しかったこと。
次に変えること。
を確認します。
STEP7|繰り返す
できるまで、
何度も繰り返します。
つまり、
スタッフ教育とは、
教える→終わり
ではありません。
教える→練習する→実践する→振り返る→改善する
というサイクルです。
院内ミーティングを「連絡の時間」だけで終わらせない
スタッフミーティングを行っていても、
予約状況。
売上。
連絡事項。
業務報告。
だけで終わってしまう医院があります。
せっかくスタッフが集まるのであれば、
教育の時間にも使えます。
たとえば、
「今週、患者さん対応で難しかった場面はあった?」
「患者さんは何を気にしていた?」
「そのとき、どう対応した?」
「別の聞き方をするとしたら?」
と話し合います。
すると、
一人の経験が、
医院全体の学びになります。
一人の経験を、チームの財産に変える。
これが、
組織として教育するということです。
最初の3ヶ月は「スタッフを変える」より「教育が続く仕組み」をつくる
スタッフ教育を始めると、
「3ヶ月でどれだけスタッフが変わったか」
を見たくなります。
しかし、
もう一つ確認してほしいことがあります。
それは、
医院に教育の仕組みができてきたか
です。
教育の時間が確保されている。
基本行動が明確になっている。
ロールプレイが行われている。
現場で実践している。
振り返りの時間がある。
改善点を決めている。
これが日常に入っているでしょうか。
スタッフ教育が、
「院長が思いついたときにやるもの」
のままでは、
継続しません。
最初の3ヶ月は、
スタッフだけでなく、
医院そのものが「人を育てられる組織」へ変わる期間
でもあります。
まとめ|スタッフ教育は「何を教えるか」ではなく「どんな医院をつくるか」から始める
歯科医院のスタッフ教育を始めるとき、
最初から、
接遇。
電話対応。
自費説明。
カウンセリング。
マニュアル。
を全部整える必要はありません。
まず、
医院として患者さんにどう向き合うのか
を決めます。
次に、
その考え方を、
毎日の基本行動へ変えます。
そして、
教える。
練習する。
現場で実践する。
振り返る。
改善する。
繰り返す。
この仕組みをつくります。
スタッフ教育のゴールは、
院長の指示通りに動くスタッフを増やすことではありません。
医院の考え方を理解し、目の前の患者さんを見て、自分で考え、必要なときには相談し、より良い行動へ改善できるスタッフを育てること
です。
「言われたら動くスタッフ」から、「自分で考えて動けるスタッフ」へ
名古屋肇歯科経営塾では、
スタッフ教育において、
知識を教えることだけを目的にしていません。
大切にしているのは、
「知っている」を「できる」に変えること。
そして、
「できる」を「毎回できる」に変えること。
さらに、
「毎回できる」を「自分で考えて改善できる」に変えること。
です。
特にマスターTC育成講座では、
カルテチェック。
目標設定。
質問準備。
ロールプレイ。
現場実践。
振り返り。
報告。
改善。
というサイクルを繰り返しながら、
10ヶ月かけて、
患者さんの話を聞く。
その言葉の背景を考える。
価値観を理解する。
患者さんの未来を聞く。
必要な情報を整理する。
そして、
患者さん自身が納得できる治療選択を支援する。
そこまで現場でできるTCを育てていきます。
目指すのは、
「説明が上手なスタッフ」だけではありません。
患者さんを理解できるスタッフです。
「言われたことをやるスタッフ」から、「自分で考えて行動できるスタッフ」へ。
そして、
一人の優秀なスタッフに頼るのではなく、
医院全体で患者さんの未来を支えられるチームへ。
患者さんの価値観を一人のスタッフだけでなく医院全体で共有できるようになると、TC導入の効果も大きく変わります。
スタッフ教育とは、
人を変えることだけではありません。
人が育つ医院をつくることです。
そこから始めることが、
スタッフ教育を一時的な研修で終わらせず、
医院の文化として根づかせる第一歩になります。
「説明できるスタッフ」から、「患者さんを理解できるTC」へ
マスターTC育成講座では、一度講義を聞いて終わるのではありません。
カルテチェック。
目標設定。
質問準備。
ロールプレイ。
現場実践。
振り返り。
報告。
改善。
このサイクルを繰り返しながら、10ヶ月かけて「知っている」を「できる」へ変えていきます。
目指すのは、自費を売るスタッフではありません。
患者さんの話を聞き、価値観や未来を理解し、患者さん自身が納得できる治療選択を支援できるTCです。












